67: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:41:34.43 ID:5UUNa7QZ0
「なら、後で未央ちゃんに一曲聞かせてはいただけないかね?」
よく考えれば、実際にしっかりと聞いた覚えはなかった。
私の提案にくみちーにまんざらでもない様子。
「もちろん。喜んで」
やがて、お盆に載せてくみちーがこちらに戻ってきた。
献立はハンバーグとサラダにコーンスープだ。
ハンバーグの上にはケチャップがついており、ケチャップは一つの絵を描いていた。
「この絵って……」
「そう、私の師匠直伝のイラストよ」
見覚えのあって独特の味わいのある絵だった。耳があってなにか動物のようだが、なんの動物か分からない奴である。
しまむーにも写メで見せてもらったことがある。五十嵐響子、きょーちゃんの絵だ。
「くみちー、きょーちゃんから料理を教わったの?」
「そっ。料理と言えば響子ちゃんでしょ? 響子ちゃんに敬意を払って、あの子の絵を描かせていただきました」
「ってことは、このハンバーグにはくみちーのハートがギュっと詰め込まれちゃってる感じ?」
「そう、ちっちゃなハートがね。ありがたく頂きなさい」
私はハンバーグを口に運ぶ。
「どうかな?」
「うん、おいしいよ!」
お世辞は抜きであった。それを聞くと、くみちーは安堵を漏らした。
「よかった。胡椒を入れ過ぎちゃったかなって思って」
たしかに少し辛味が強い気がするが、気にするほどではなかった。
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