64: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:37:42.63 ID:5UUNa7QZ0
駅近くの繁華街のお店に入って、お互いに試着し合ってみたりした。
買う気はなかったけど、何点か気にいってしまい、けっきょく買ってしまった。
気がつけば、すっかりいい時間になっていた。
解散することにして、電車に乗り込む。
途中まで私とみうみうは同じ方向だ。
しばらく取り留めのない会話をしていたけど、いつしか私とみうみうの視線は車窓に向けられていた。
まばゆい夕焼けの景色。
でも、他に景色を見ている人はいない。
みんな本やスマホを見ている。
「ねえ、未央ちゃん」
私は車窓から、みうみうに視線を移す。みうみうの横顔は穏やかに、あどけなく。
夕焼けの眩しさに、少しだけ目を細めて。
「サンノス、うまくいくかな」
私はすぐに答えられなかった。みうみうは、独り言みたいに続けた。
「わたしやりたいな、サンノス。またみんなで、舞台に立ちたいよ」
「……私もだよ」
私たちの交わした言葉は、電車の揺れる音にかき消され、誰にも届くことはなかった。
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