61: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:32:37.61 ID:5UUNa7QZ0
「やっといてなんなんだけど……もしかしたら、わたしのせいでサンノスがライブに出るの、難しくとかならないかな?」
実際に的を射た悩みだった。可能性の公表がプロデューサーの背中を押すことになるとは決まっていない。逆の可能性だってある。その行為を嫌って、サンノスの出演を拒む方向に進んでもおかしくなかった。
それでも、私は微笑んだ。
「電話でいったじゃん。みうみうのやったのは、チョーナイスアシストだから」
「だったら良いけど……」
みうみうは眼を細めた。まだ気になることがあるようだ。
「なになに、私のこと信じられないの?」
「そうじゃなくてさ……その」
なにか言いづらそうに人差し指を私の前で合わせていた。どうもおかしい。
後悔は後悔だが、先ほどとは毛色が違った雰囲気だ。
「どうかしたの?」
「……えっとね。久美子さんとプロデューサー、わたしのせいで喧嘩しちゃったかも」
「はあ?」
思ってもない方向だった。
「えっと、喧嘩? どうして」
「本当に喧嘩してる訳じゃあないかもだけどさ。わたしが放送で言った後に、久美子さんからプロデューサーに電話がかかってきたっていったでしょ。その電話の後にプロデューサー落ち込んでたみたいで」
あの時のプロデューサーの態度を思い出す。あきらかに声に元気がなかった。
てっきり、偉い人に怒られたのかと思ったけど。
そう言えば、直後にくみちーに電話をかけたときもそうだ。
くみちーも素気ないというか、心ここにあらずだった。
二人の態度は、喧嘩してしまったせいということだったのか。
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