52: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:22:10.29 ID:5UUNa7QZ0
立ち上がったつっちーは、未だ妄想の世界に浸っていた日菜子ちんの腕を掴む。
「ああ……強引なのも悪くないですね……」
「だーかーらー!」
そのまま日菜子ちんを、つっちーは引っ張っていく。
「それから、未央ちゃん」
去り際に、つっちーは振り返った。
「ほんま、頼むよ」
頼むというのはみうみうのことで、でもそれはいい意味での「頼む」ではない。
無茶をさせないでほしい、ということだろう。
そう言われてもと思っても、私はなにも言い返すことはできなかった。
つっちーが角を曲がって視界から消えた直後だった。
「お疲れさまです、亜子ちゃん!」
元気な声が陰から聞こえてきた。姿を見なくても誰なのか分かるボーナスクイズだ。
姿を現したのは、正解。茜ちん。
そしてあーちゃんだった。
茜ちんは私に気付くと、元気に声をだす。
「お疲れさまです、未央ちゃん!」
「あ、お疲れさま。茜ちん、あーちゃん」
「お疲れさま」
駆け寄ってきた茜ちんは、私の様子を察して「ふむ?」と首をかしげた。
「なにかあったのですか、未央ちゃん?」
「え、いや。なんでもないって」
そんな茜ちんと違って、あーちゃんはマイペースに歩いてきた。
今日はこの三人でのレッスンだった。
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