51: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:21:07.46 ID:5UUNa7QZ0
「私がみうみうを利用する訳なんかないでしょ?」
「本当にそうって言いきれるん?」
「当り前でしょ」
それだけははっきりと伝えたかった。
私だって、みうみうがいい子なのは十分に承知していた。利用するなんて、そんな思いはどこにもなかった。
というか、利用するにしてもあんな突飛な真似はとらせないだろう。普通。
更衣室の扉が開く。中から垂れ目がちな少女が現れた。
全体的にふんわりとした雰囲気をしている彼女は、日菜子ちんだ。
「お待たせしました……おやおや? 未央さんもご一緒でしたか」
「あ、お疲れ。日菜子ちん」
日菜子ちんは私と亜子ちゃんを交互に目を向ける。それからだらしなく頬が緩んだ。
「ふむふむ……このなんとも言えない空気……許されない恋の匂いを感じますね」
「なんでそうなるねん!」
つっちーも無視してむふふと笑った日菜子ちんは、両頬に手を添えて視線を宙に彷徨わせた。
「それか、大事な人を奪い合う二人……妄想がとまりませんねえ……」
日菜子ちんは乙女なロマンチストですぐに妄想に浸ってしまう。
突っ走るという意味では、茜ちんと同じタイプの子だった。
呆れるようにつっちーが息をついた。
「もう、アホ言っとらんと早く行こ。美羽ちゃんも待ってるよ」
「みうみうもいるの?」
「そうです。日菜子達でお茶会なのですよ〜。乙女の秘密の花園です……」
「ファミレスが乙女の花園なんて聞いたことないで」
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