43: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 20:59:22.12 ID:5UUNa7QZ0
頭を抱えながら必死に言い訳を述べたあと、上司から散々雷を頂くことになるはずだ。
プロデューサーの内心は十分に察せられた。
でもみうみうには言わなかった。
現時点でも、ちょっと後悔の念が浮かんでいたから。
これでプロデューサーが怒られるなんて言うのは追い打ちになってしまう。それはなんだか心苦しかった。
みうみうだって分かっているかもしれない。分かってるなら、なおさら私から言わなくていいだろう。
だから代わりに、私は質問を繰り返した。
「なんで言っちゃったの。番組で、しかも生放送だし」
「だって、わたしもやりたかったから!」
叫ぶようなみうみうの強い言葉に、私は声を詰まらせる。
「サンセットノスタルジーで、舞台に立ちたかったから。未央ちゃんもそうだから、プロデューサーに企画を提案したんでしょ?
その話を久美子さんから電話で聞いて、わたしすごくうれしかったの。で、ぎゃふんと言わせる手を考えてって言われてね、だから……」
「みうみう……」
健気な声で言われてしまえば、それ以上私もなにも言えなかった。
なによりも、その気持ちが心に響いてしまって。
(ただ、なんというか……ちょっと大胆すぎだなー……)
凄いのだけど、もうちょっと考えてほしいというか。
プロデューサーどころか、私達までぎゃふんと言わせる一手だった。
奇襲効果はてきめんだ、多方向に。
「あ、ちょっと待って」
みうみうの声が遠くなった。誰かと話している。
少しして電話口から聞こえてきたのは、プロデューサーの声だった。
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