37: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 20:47:47.48 ID:5UUNa7QZ0
「え、でも」
「聞いたでしょ、プロデューサーの言葉。サンノスじゃ輝けない? イメージと合わない? 全部勝手に決め付けて。そんなのって……ないよ」
くみちーが震えながら拳を握り締めていた。
「未央は悔しくないの?」
「悔しいに決まってるよ、でも……」
くみちーの気持ちは、私も十分に理解できる。
私だって、やりたいからプロデューサーに提案したのだ。
「だからって、どうすればいいの。事務所だっていろいろ都合があるし」
「プロデューサーに思い知らせるのよ。サンノスの輝きを。私たちから目が離せなくなるぐらい、輝けるってことを証明するの」
くみちーの答えはシンプルで、力強い。
ただ問題はあった。
その方法だ。
「どうやって思い知らせつもりなの?」
「プロデューサーをぎゃふんと言わすの!」
自信たっぷりに言いきったくみちーを、私は見つめていたけど。
「だから……どうやって?」
「ぎゃ、ぎゃふんはぎゃふんよ」
つまり、特に考えはないらしい。
ちょっと呆れてしまったけど、なにもしないよりはよいかもしれない。
ボーっと立ち止まっているより、少しでもジタバタした方が、きっと思いは伝わる。
「うん、そうだね。考えよう。プロデューサーをぎゃふんと言わす手を、さ」
だから、私はそう答えた。
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