30: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 20:33:15.44 ID:5UUNa7QZ0
「行くわよ、未央」
「ちょっと待って。行くってどこに?」
「事務所。プロデューサーに理由を聞いてくる」
決意を込めたくみちーの言葉に、私は呆気に取られた。
「理由って……それは今回の企画が、あくまで新しいユニットを目的としてて」
「未央はそんな説明で納得してるの?」
「……そういうもんなのかなって」
だってそうではないか。プロデューサーが言ったならば、そういうものだと納得するしかない。
でも、くみちーは違った。
「私は納得できないわ。新しいユニットがなんなの? サンノスだって魅力的なユニットだよ。そりゃあ、活動は長い間してないけど……」
くみちーは視線を逸らした。
けど、すぐに向き直った瞳には、強い意思が籠っていた。
「それでも、魅力は負けてない。負けてなかった。私たちだから見せられる輝きがあった。私は信じてる。サンノスの輝きを、私たちの輝きを信じてる」
くみちーの言葉に、胸の奥がかっと熱くなった。
「それにさ。サンノスどうこうを除いても、その対応って……おかしいよ」
「プロデューサーの対応が?」
私は首をひねる。くみちーはなにがひっかかったらしい。私は特におかしいとは思わなかったけど。
「……未央って、私がアイドルオーディションに受かったときのこと、知ってるよね」
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