25: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 20:26:46.90 ID:5UUNa7QZ0
「調子いいこと言って。褒めてもなにも出ないわよ」
呆れるようの笑いながら、くみちーは頬杖を掻いた。
「でも、落ちて良かったかも。落ちた時は悔しかったけど、だからアイドルになれたし。アイドルの方が、色んなことを沢山経験できて、だからもっとキレイになれたからさ」
「いろんな経験っていうのは……空を飛んだりとか?」
くみちーは以前、番組の企画で人力飛行機を作ったことがあった。
「もちろんそれもね。それにやっぱりライブとかさ……未央は想像できた? 歌って踊る自分の姿を」
「私は最初からアイドル志望でしたから」
「ああ、それもそっか」
アイドルオーディションを受ける子は、アイドル志望だからオーディションを受ける。当然だ。
そう言う意味で、くみちーはちょっと変わっていた。
少なくとも、最初はアイドルオーディションなんて受ける気がなかったのだから。
「ライブと言えば」
と、くみちーは言った。
「夏のライブ。未央も出るんだよね?」
「とーぜん。くみちーもでしょ?」
「とーぜん」
その答えは知っていた。ポスターに名前が出ていたのを見かけていたから。
くみちーも、私の名前には気付いていただろう。
165Res/216.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20