145: ◆saguDXyqCw
2017/06/19(月) 00:45:20.13 ID:0mGdZrJv0
このアレンジでは、いつもよりもイントロは長くなっていた。
合わせて、ゆっくりとせりが上がっていく、胸の高鳴りも強まっていく。
オレンジ色のスポットライトが、スモークが巻かれる舞台に照らしている。
お客さん達が、目の前に現れる。息を大きく吸い込み。
「―――!」
歌い出す。三人で揃えて、最初の声を。
血の気が引く。
みうみうの声が聞こえない!
マイクの調子が悪いのか、ミスなのか。
またすぐにイントロに入る。
スポットライトは夕焼け色から夜空の青に変化する。
心臓がバクバク跳ねあがりながら、踊りに集中する。
ターンもステップも、少しぎこちなくなってしまってないか。
お客さんは気付いていないのか。歓声を上げ、無限とも思えるペンライトの煌きが私たちを包みこんでいる。
そんな非現実な光景も、マイクのミスが浸らせるの阻害する。
波に乗り切れない。
恐怖を拭え。集中するんだ。
Aメロの歌い出しは私。マイクを手に、少しだけ体を前に出して。
次に歌うのがみうみうだった。
くみちーと私は目くばせをした。
みうみうのマイクに、くみちーも気付いている。
仮にマイクの調子が悪いままならば、アドリブで乗り切らなければ。
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