146: ◆saguDXyqCw
2017/06/19(月) 00:51:05.18 ID:0mGdZrJv0
杞憂だった。
誰よりも不安だったはずのみうみうは、そんな不安なんか存在しないとでもいうように力強く、声を響かせた。
負けてられないとばかり、透き通るようなくみちーの声が響いて。
そして三人で揃えて。
大きく息を吸い込んで、サビに入った瞬間。
ライトが瞬いた。
星を現した白い輝きをが駆け巡り、バックスクリーンに星が瞬く。
手が大きく動く。緊張がゆっくりと解き放たれていく。体が動く。
足も腕も指先も喉も肺も唇も舌も全部が動く。
自由になる。意識が遠のきそうなくらいの興奮が体中を駆け巡る。
まだまだ行ける。まだまだ走れる。
間奏。
踊りながらお客さんの顔が見えるよな気がする。みんな笑っている。
私たちは目を合わせた。
二人とも満足していて、でも分かってた。
こんなもので喜ばないで。
もっと凄いのが来るよ。だから。
「いっくよー!!」
間奏の終わる直前に私は叫んだ。
神経の瞬きは流星群みたいに頭の中を駆け巡っていく。
私の指が震えているのが見える。
怖いからじゃない。我慢している。
次の瞬間の為に。
そして、弾け出す。
遠慮なんかしないで!
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