134: ◆saguDXyqCw
2017/06/19(月) 00:13:13.31 ID:0mGdZrJv0
「……きっと、大事な思い出なんです。周りからは古ぼけて見えても……見えてるからこそ、本当の輝きを見せてみたいと思うんです」
「他の装飾品は、大事じゃないっていうのか?」
「大事なものって、一つしか持っちゃ駄目なんですか?」
問い返した私を、彼はじっと見つめていた。
「それに」と、私は微笑んだ。
「たぶん、意地っ張りなんですよ。シンデレラって」
「……なるほどね」
彼はボタンを押すと、自販機が音を鳴らす。
とり出したコーヒーを手に、元来た道を戻っていった。
その途中、彼は振り返った。
「俺にはやっぱり、理解出来ないよ。思い出は思い出じゃないか?」
彼は私の言葉を待つ訳でもなく、歩いていった。
その夜。
サンノスの参加を知らせるメッセージが、私のスマホに届いていた。
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