131: ◆saguDXyqCw
2017/06/19(月) 00:06:12.38 ID:0mGdZrJv0
ライブが来週に迫っていた。
主演アーティストはもちろん、一部のコラボについても発表がなされていた。
その中に、サンセットノスタルジーの名前はなかった。
ネットで検索してみたりしても、サンノスのことを気にかけている記事はポツポツとあるだけだった。
私たちのタイムリミットは明後日だった。
私たちが出なければ色々な予定の調整も必要だ。それを考えてのことだった。
他の子を巻き込むのも、やっぱりよくない。
あーちゃんはきっと抵抗するけど、私が説得すれば最後は折れてくれるはずだ。茜ちんもそう。
みうみうだって。
やっぱり、どこかで巻き込んでしまったという思いがあった。
そんな訳ないと分かっていても。くみちーとそのことを話したことがあった。
くみちーも同じ意見だった。たとえ私達が出ないとしても、みうみうだけはちゃんと出演させよう。
できればくみちーにも出てほしかったけど、くみちーの意思は固かった。
学校帰り、ポジパのレッスンのある日。少し早くついた私は、自販機で買ったジュースを飲みながら休憩所で休んでいた。
窓からは太陽の鮮烈な光が差し込み、強い陰影を作り出していた。
私はふと、壁に貼ってあったライブのポスターに目を向けた。
ポスターまで近づき、並んでいる名前に目を通す。
自分の名前を見つけると、それを静かに指でなぞった。
その指は、次にみうみう、そしてくみちーの名前に触れる。
もし、サンノスが間に合わなければ、このポスターは嘘のポスターになる。
きっとくみちーは本当に出ない。私も出ない。いろんな人に迷惑がかかるだろう。
考えるだけでゾッとする。
このポスターを剥がしたい衝動に駆られた。
強引に引きはがし、画鋲が地面に転がって、私はポスターを両手にもち、クシャクシャに――
私は首を振った。
例え想像でも、そんなことはできなかった。
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