129: ◆saguDXyqCw
2017/06/19(月) 00:01:46.79 ID:0mGdZrJv0
今日もくみちーが料理を作ってくれるらしい。キッチンからはいい匂いが漂ってきていた。
「久美子さん、家の人は?」
みうみうが訪ねた。
「今日は二人で出かけてるの」
「また?」
「そう。今日は気を使ってくれたみたいね」
料理はハンバーグだった。美味しいのだけど、バリエーションは増えていないらしい。
やっとコーンスープにした意味があったと、くみちーは喜んでいた。
それぞれお風呂に入ってから居間で映画を見ることにした。いくつか借りてきた中から、SFアクションを選んだ。
こう言ってはなんだが、想像よりも楽しめた。
単なる派手なアクションだと思ってたけど、コメディチックで、でもちょっとホロッと泣かされる映画だった。
そのあと、最近あったことなんかを話したりした。
その中でピアノの話題が出て、みうみうが聴いてみたいといいだした。
くみちーは了承した。
「この時間に弾いても大丈夫なの?」
「平気よ。うちは防音をちゃんとしてるから」
教室も兼ねているピアノ部屋に移動する。
明かりはスタンドランプだけ。温暖色の輝きが、室内を照らし出す。
最初に弾いたのは、この前と同じお願いシンデレラ。
同じ曲のはずなのに、弾き方をかえているのか、雰囲気のせいか。前より穏やかに胸の内に響いた。
その後も何曲か弾いてくれた。しまむーやしぶりん、かれんの曲。
私たちは壁際の椅子に坐りながら、その音に聞き惚れていた。
その内に、みうみうの頭がこくりこくりと船をこぎ出した。
みうみうは朝から番組収録があったから、疲れてるのだろう。
「もう、寝よっか」
くみちーが言った。
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