120: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 23:42:55.22 ID:5UUNa7QZ0
「ホントにいいの?」
「もう、しつこいわね。未央だって、ライブ出ないの本気なの?」
「うん。もちろん」
私はきっぱりと言った。本心だった。言ったことを撤回したくないのもそうだし。
これだけの気持ちがなければ、きっとサンノスが舞台に立つのは難しいと思ったから。
「ほら、でしょ?」
くみちーは私の言葉に呆れるどころか、満足げな笑みを浮かべた。
「未央が覚悟してるんなら、私が引き下がるわけないじゃない」
その答えは嬉しかったけど、少しだけ心が痛んだ。
「……私は引き下がったら、くみちーも引き下がる?」
「まさか。そんなカッコ悪いことするわけないでしょ」
「だけどその……」
「なによ」
「……プロデューサーのことはいいの?」
一瞬、くみちーの顔が陰ったようだったけど。
穏やかに微笑んだ。
「だからよ。きっとプロデューサーも、そんな私を見たいなんて思わないわ」
「だから」と、くみちーは続けた。
「プロデューサーには頑張ってもらわなきゃね。役得よ? 私の人生を決められるなんて」
はにかんだくみちーは、少し頬が赤かった。
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