118: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 23:39:23.86 ID:5UUNa7QZ0
仕事が残っていたプロデューサーを除いた四人は、私が回復をするまで待っていてくれていた。
五人で出た事務所を出た頃には、すっかり辺りは暗くなっていた。
雨はやんでいた。
車道を走る車やビルの無機質な輝きのなかを私たちは歩いていく。
「……ゴメンね、みんな」
私は言った。
「なんか、私の無茶に巻きこんじゃって」
こんな時に、弱気な発言をするべきで気はない分かっている。
でも私のわがままに、みんなを巻き添えにしてしまった。よいことではないはずだ。
「未央ちゃん……」
私の隣を歩いていたあーちゃんが心配そうに呟く。
「なにいってんのよ」
前を歩いていたくみちーが振り向いた。
長い髪を揺らしながら、なにを心配しているの? とでもいうように勝気に笑んでいた。
「決めたのは私たちよ? 未央がどうこう言う問題じゃないわ」
「ね?」とみうみうに問うと、みうみうはうんうんと頷いた。
「そーだよ! 無茶ならわたしも負けてないし!」
慰めか分からない言葉に、私は笑ってしまう。
「その通りです!」
茜ちんも答えた。
「私はそうしたいからそうしました。チームプレイですよ!」
「そうだよ、未央ちゃん」
あーちゃんが、優しく私の手をとった。柔らかなぬくもりが包みこむ。
「未央ちゃんが言ったでしょ。私は……」
そこであーちゃんは小さく首を振った。
「私たちは、いつでも未央ちゃんの味方だよ」
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