八幡「異本・たとえばこんなバースデーソング」
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60: ◆A95oCT.s2k[sage saga]
2017/06/18(日) 20:08:00.38 ID:/+LAMdvF0
「のう八幡、時に我は今日、真のリア充というものを理解した気がするぞ」

「そか、良かったな」

「この体験は我の人生にまた一つ、新たな経験を与えたもうた! この経験を生かし、我は書くぞぉぉおおお!!」

「……勝手に盛り上がっててくれ」


 ――そうして、各々が思い思いに由比ヶ浜を祝福していた。

 ある者は飲み、歌い、食い、笑い、それぞれが由比ヶ浜の今日という日を誰よりも祝っていた。


 ……そして、パーティーはメインへと移行していく。


「じゃあ、そろそろケーキを出しましょっか」

 一色が言うと、暗幕が閉められ、教室内に葉山と三浦の2人によってケーキが運び出される。

 随所にフルーツが散りばめられていて、とても美味そうに見えるな。

 そんな雪ノ下と相模の二人で作られた手製のケーキにロウソクが刺されると平塚先生がライターで火を点け、教室内が静まりかえる。


「みんな、ほんとに、ほんとにありがとう……っ」

 キャンドルに照らされるケーキを前に、由比ヶ浜は眼に涙を浮かべながら言う。

 そして、誕生日を祝う祝福の歌と共に、由比ヶ浜は一息、キャンドルに灯った火を吹き消す。

 一瞬の静寂と闇が教室を支配し、明りが付けられると同時、絶え間ない拍手と祝福の声が上がり始める。


「結衣ー! おっめでとう!!」

「うん……ぅん……ありがとう……みんなありがとう!!」

 割れんばかりの拍手の中、由比ヶ浜はその大きな眼から零れる涙を拭う事も無く、感謝の声を上げながら歓喜に震えていた。

 そんな由比ヶ浜を囲うようにして女性陣が駆け寄り、その肩を抱く。

 そうして1人1人に抱きつくようにして、由比ヶ浜はただ、子供のように泣きじゃくっていた……。


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