八幡「異本・たとえばこんなバースデーソング」
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54: ◆A95oCT.s2k[sage saga]
2017/06/18(日) 19:45:30.60 ID:/+LAMdvF0
『もしもしー?』

「一色か」

『あぁ、先輩、どうかしましたか?』

「葉山、そこにいるか」

『居ますよー』

「代わってくれ」

『はーい』

 そして待つ事数秒、葉山の声が聞こえてくる。


『もしもし、何かあったか?』

「葉山か、いや、料理の方少し時間がかかりそうでな。できれば10分ぐらい遅れて来てくれると助かるんだが」

『……ああ、分かった。何かあったのか?』

「いや、大したことじゃない」

『そっか……うん、分かったよ。じゃあまた後で』

「ああ」

 数秒の会話を終え、俺は携帯を仕舞いながら言う。


「大丈夫だそうだ」

 そう聞くや否、全員の顔に僅かばかりの安堵の表情が浮かんだ。

 時間まであと30分、遅れを取り戻すように、俺達は調理の続きに移っていった。


 ―――そして、調理を終えたご馳走を慎重に教室に運び、全ての準備を終えて待つ事しばらく。

 本日の主役、由比ヶ浜結衣が会場に姿を見せた。


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