214: ◆ddl1yAxPyU[saga]
2017/08/12(土) 00:52:01.74 ID:J7Obj3h10
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――ここは深い深い闇の中
目を瞑っていても開いても一面黒一色
どっちが上でどっちが下か
右も左も分からない
それどころか自分が立っているのか、倒れているかも分からない
何も無い空間に私という意識だけが存在していた。
理由は分かっている
外から入ってきた悪者に、私の体を乗っ取られたせいだ。
必死に抵抗した
何度も抵抗した
何度も何度も何度も何度も……
――でもダメだった。その結果がこれだ。
もう二度とここから出られない
曜ちゃんに会いたい
梨子ちゃんに会いたい
善子ちゃんに会いたい
ルビィちゃんに会いたい
花丸ちゃんに会いたい
ダイヤさんに会いたい
果南ちゃんに会いたい
鞠莉さんに会いたい
でも…それは無理なお願いみたい。
ならいっその事今すぐにでも死にたい、誰でもいいから私を殺して欲しいと願い続けた
とにかく早く楽になりたかった…
『――やめな―! 絶――やめ―――か!!』
――声が聞こえた
誰かは分からないけど、確かに聞こえたんだ。
馴染み深いというか…いつも聞いている声だった
それから次第に胸元に痛みを感じ始めた
今まで断片的に外の情報が意識に流れ込む事はあったけど
声が聞こえたり、痛みを感じる事は無かった
『――ろ…起き――!! 目を覚ませばそれでいいんだよ!!』
何も無かった空間に小さな光が差し込んだ
その光が大きくなるにつれて声も痛みもハッキリと感じるようになった
この空間で最後に感じたものは
私そっくりの声で泣き叫ぶ声と
胸骨が折れたんじゃないかと思うほどの激痛だった――
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