11: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:09:16.48 ID:FNohgaRnO
「ありがとうドロシー、じゃあ私帰るね」
「こちらこそありがとならぁら、気をつけろよ」
「……うん」
もんじゃを食べ終わったらぁらは家に帰るみたいで。普通にいつも通り見送る。
12: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:18:10.88 ID:FNohgaRnO
気がつくと僕はらぁらの手を掴んでいた。もう無意識だった。
「ドロシーさん、離して?」
「ごめん」
「ごめんって言うなら、離してよ」
13: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:22:55.62 ID:FNohgaRnO
「ドロシーさん、なんで離してくれないの……」
「ごめん……」
「せっかくドロシーさんのこと、どうでもいいって、思えるようになったのに、こんなの、んっく、ずるいよ……」
らぁらのすすり泣く声が聞こえる。らぁらがどんな思いだったかやっとわかった。だから、僕は「ごめん、ごめんね」って謝ることしかできなかった。
14: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:30:21.63 ID:FNohgaRnO
──大学はわざとパラ宿から遠いところを選んだ。今まで僕は色んな人に迷惑かけてきた。だから誰にも頼らなくていいようにした。
レオナとか家族以外には誰も教えなかった。嘘をついた。だから、パラ宿駅で見送りに来たのは家族だけだった。
15: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:45:35.17 ID:AcPLedJbO
今、僕はやっと思い出した。僕はらぁらに、みんなに、迷惑をかけっぱなしだった。なんて僕はバカなんだろうと。
「ごめん、ごめん、らぁらごめん」
いつの間にか泣いてた。泣きながら、謝るしかなかった。謝っても謝っても謝りきれないから、謝るしかなかった。
16: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:53:47.18 ID:AcPLedJbO
泣き疲れてしまったから、僕とらぁらは僕の部屋だった部屋に来た。
「ドロシーさんの部屋、久々だなあ」
「そうだね。らぁらがいるのは久々」
17: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 17:10:55.88 ID:AcPLedJbO
「てか、らぁらなんであの時ホームにいたの?家族以外誰にも教えてなかったのに」
気になることを聞くと、らぁらは口に指をあてて、「それはね……今はまだひみつ」って。
なんだよそれって言ったけど、勝手に黙って遠くに行った僕が深入りできるわけもなく。
18: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 17:21:16.28 ID:AcPLedJbO
受験生ってことはどこの大学に行く気なんだろう。昔のらぁらは僕と同じぐらいテストの点数悪かったけど、今のらぁらはよくわからない。
まあ遠くに逃げ出すために、必死に勉強した僕よりは、ちゃんとしたところに決めてるんだろうけど。
「ところでらぁらはどこの大学に行くんだ?」
「うん、えっとね。耳貸して?」
19: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 17:33:32.45 ID:AcPLedJbO
──。
20: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 17:39:47.55 ID:AcPLedJbO
頬に柔らかい感触があたった。
「えへへ、こう言うことですよ」
……うん、さすがに僕でもわかるよ。
21: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 17:46:26.02 ID:AcPLedJbO
「あ、そうだ、ドロシーさん!」
「うわぁ?!びっくりさせるなよー!」
急にらぁらが戻ってきたから、びっくりした。なんだよいきなり。
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