4: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:10:05.09 ID:yFIcZ1s10
対して、プロデューサーはといえば回答し終えたといわんばかりに、机に向き直っていた。カタカタとキーボードを叩いている。まだ始業の時間ではないはずなのに、何をしているのだろう。何故だか、ふつふつと興味が沸いてきた。
「何してるんですか、プロデューサーさん」
「ああ、これか?アイドル皆のデータベース……的な奴かな」
「……亜利沙さんの真似でも始めたんですか?」
「なんで微妙に刺々しいんだよ……お前たちの長所とか短所とかのデータまとめてるだけだよ。大事なんだぞ?これが外に漏れてみろ、オーディションとか勝てなくなってもおかしくないんだからな」
少し拗ねたように吐き捨てるプロデューサー。子供っぽく唇を尖らせながらも、手を休める事はない。何かをひたすらに打ち込んでいく。そんな彼の表情は、カッコイイ社会人……ではなく。秘密基地を見せびらかしたけれどあまり驚いてもらえなくて拗ねる子供の表情だった。
――いつもはカッコいいのに、どうしてたまに子供っぽくなるんだろう。
クスリ、と笑ったのが、目の前に彼にばれていなかったと信じたい。
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