24: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:25:23.52 ID:yFIcZ1s10
メモ用紙には、私が感じていたような不安の箇所を罵倒するような事は何一つ書いていなかった。かといって不安から目をそらさせるような言葉は全くもって存在していない。そこに綴られていたのは、私の不安に感じた部分だけでない、すべての弱点と、それに対する対処法が明確に示されていた。
――悔しい。こんな事ばかり、書かれているなんて。
唇を噛む。いつもより強く噛まれた唇からは、少し鉄の味がしたが、私は気に留める事はなかった。
差し入れられた(置いて帰った、とは思わない)ドリンクを、数口分口に含んで飲みこむと、私はメモを持って元の場所へと戻った。
――絶対に、上達して見せる。いつか、見返してやるんだから。
この小さな紙きれを握りしめ、私はもう一度声を張り上げた。
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