15: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:20:05.50 ID:yFIcZ1s10
「なぁ志保。自主レッスンだからって遠慮する事はない。俺に声を掛けに来てくれよ。そうしたら俺が見るから、俺が見ている時だけに、レッスンの時間を限定してくれないか?」
「嫌です。時間が決められてたら、出来るところも出来なくなっちゃうじゃないですか」
「頼むよ。お前が下手に怪我するのなんて、俺は見たくないんだよ」
「別に、いつも怪我するって決まったわけじゃないでしょう」
知らず知らずのうちに唇を尖らせる。少し、苛立ってきている自分を自覚しつつも、これ以上ちょっかいをかけられるのが耐えられなかった。
――私の事を何も知らないのに、そうやって勝手に踏み入ろうとしないで。
そんな私の無言の威圧に怯んだわけではないだろうが、先ほどとは違う眉のひそめ方をした彼は静かに立ち上がると、私に悲し気な目を向けて去っていった。
「……余計なお世話よ」
感情が抑えきれず、思わず声が漏れた。
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