148:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 17:24:21.82 ID:3ai9I0vk0
「先程も言ったように僕たちはキミを助けてはいません。助けたのは硝子さんですよ。」
石田を助けたのは未だに自分の手を引かれながら泣き続けている硝子だと伝える右京。
そこで石田はようやく隣にいる硝子に振り向いた。
自分のせいでイジメを受けた西宮がまさか助けてくれたなんて…
「思えばキミと硝子さんには共通点があった。二人とも父親がいないことです。」
子供たちに父親がいないこと。
それを言われて母親である八重子と美也子は思わずお互い目を背けた。
こればかりはさすがに大人の問題であり子供には関係のことだ。
「キミと硝子さんのちがいなんて障害があるかどうかです。
本来ならキミこそが硝子さんの理解者になれたはずだった。
キミが硝子さんを受け入れればクラスの子たちともうまくやっていけたかもしれない。
こんな醜い事態に陥ることなど決してなかったはずです。」
そのことを聞かされて石田はかつて植野に言われたことを思い出した。
名前が似ていると…
将也(しょうや)と硝子(しょうこ)
その時は少し名前の読みが似ている程度だろと聞き捨てていた。
だが実際は自分たちの境遇が似ていたことに石田は少しだけ驚いた。
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