15: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:15:01.51 ID:OIoYntls0
「ふふっ、すいません。少し冗談が過ぎました。プロデューサーがそういう人じゃないって、知ってますから」
「もう、勘弁してくださいよ……」
16: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:16:01.83 ID:OIoYntls0
それから、プロデューサーの勧めで、カシスソーダやアイオープナーを飲みながら談笑した。
普段は飲まないカクテルは、新鮮で、とても美味しくて。プロデューサーとの会話も相俟って、とても楽しい時間だった。
そうやって2時間くらいは過ぎていただろうか。話もひと段落し、静かな、けれど気持ちの良い時間を楽しんでいた頃。
ふとプロデューサーが切り出した。
17: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:16:34.45 ID:OIoYntls0
「あの、もしかして……誕生日プレゼント、ですか?」
「ええ、ご名答です。さすがに分かっちゃいますよね」
「ふふっ、そうですね。でも、いいんです? ここに連れてきてくれるのも、誕生祝だって仰ってましたけれど」
18: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:17:14.38 ID:OIoYntls0
「これ、開けてみても?」
「ええ」
19: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:18:19.61 ID:OIoYntls0
「楓さん、いつもレッスンの時、髪を纏めてるでしょう?」
「ええ」
確かに私はレッスン中は髪を纏めている。
20:名無しNIPPER[sage]
2017/06/14(水) 22:18:35.76 ID:MS/LprdSO
ベレッタに空目した
21: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:21:17.72 ID:OIoYntls0
「いえ、何でもありません。これ、明日から早速使わせて頂きますね。色も凄く好みですから」
「よかった。喜んでもらえて何よりです」
誕生日プレゼントなんて、仕事の場以外で貰ったのは何年ぶりだろう。
22: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:23:42.66 ID:OIoYntls0
(なんだかまるで、学生の頃に戻ったみたいね、私)
なんて、そんなことを思わずにはいられない。
そう思ってしまうくらい、今の私は単純で。
そしてそれ故に、この時間が、楽しくて仕方がなかった。
23: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:24:25.31 ID:OIoYntls0
それからまた、喋っては静かにお酒を飲むような時間がしばらく続いて。
そろそろ、帰らないと明日に支障が出る時間になってきた。
何より、私は明日、仕事こそないけれど午後からレッスン。
凛ちゃん達と一緒だから、ちょっと頑張らないと。
24: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:25:17.11 ID:OIoYntls0
お互い黙りこくってしまって、席を立つことができない。
プロデューサーが何を思っているかは分からない。
けれど……この時間が終わってしまうのが惜しい。
それだけが今、胸の中を占めていた。
25: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:26:55.67 ID:OIoYntls0
「でも、明日はレッスンもありますから……帰らないと、ですね」
「はい。だから、あと一杯だけ飲んだら、本当にお開きにしましょうか」
それがきっと、落としどころ。
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