【ミリマス】 『新しい舞台と変わらない想い』
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15: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:29:09.86 ID:GTk52CSjo
開演を告げるはじまりのベルが鳴る。
客席から聞こえる大きな歓声は、舞台裏にいた彼女にその熱気を伝えるのに十分すぎるほどだった。
アイドルたちが一斉に暗転しているステージの上へと上がっていく。

彼女は舞台裏で、自分の心臓の鼓動が速くなるのを感じていた。
以下略 AAS



16: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:29:48.76 ID:GTk52CSjo
楽曲がもともと持っている色に、アイドルたちは自分たちの色を乗せていく。
歌うパートひとつ取っても楽曲は様々な色に彩られていくのだ。
ひとつひとつの色は全て違っていて、ある一つの形になっていく。
この曲も、また次の曲も。
カラフルに彩られた時間はあっという間に過ぎて行き、公演はますます盛り上がりを見せていった。


17: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:32:15.85 ID:GTk52CSjo
「あーっ!」

それは公演の中盤ごろだっただろうか。
彼女は突然あらわれたある少女に抱きしめられた。

以下略 AAS



18: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:32:57.14 ID:GTk52CSjo
「えっ!?本当に本当に24歳なんですか!?」

「本当に本当に24歳!」

髪のハネた少女がその会話を見て笑う。
以下略 AAS



19: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:33:57.15 ID:GTk52CSjo
「そっか〜。それじゃあまだ、アイドルになるかどうかって、決まってないんですね〜。」

髪のハネた少女に何気なくそう言われ、彼女は考え込んでしまう。
確かにそうだ。ライブに圧倒されてはいたが、もともと自分の中でどうするか決めるために来たんじゃないか。

以下略 AAS



20: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:34:25.95 ID:GTk52CSjo
バタン!と、その時通路とつながるドアが開く音が響いた。

「あ、静香ちゃん!遅いよ〜。」

「未来、翼、遅くなっちゃってごめんなさい。」
以下略 AAS



21: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:35:43.25 ID:GTk52CSjo

「翼、もう袖のところまで行くわよ?」

黒髪の少女はステージ脇の階段に足をかけながら、そう声をかけた。
ステージセットは後方ほど高くなるように段差がつけられているので、このように舞台に上がるための階段が組まれているのだ。
以下略 AAS



22: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:36:43.67 ID:GTk52CSjo
少女たちは光溢れるステージへと飛び出して行く。
イントロ部分がない楽曲で、3人の登場と同時に歌唱が始まるという演出に客席からの歓声も一気に高まった。

この曲は彼女も知っているアイドルのカバー曲。
彼女はそれを舞台袖のところから見ていた。
以下略 AAS



23: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:37:37.42 ID:GTk52CSjo
しかし、ステージのアイドルたちはその楽曲を確かに歌いこなしていたのだ。

彼女がそう感じたのはあることに気がついてからだった。
それはステージ上のアイドルたちの見つめる先。
観客たちひとりひとりであった。
以下略 AAS



24: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:38:09.30 ID:GTk52CSjo
様々な色のコンサートライトと、アイドルたちの歌声とが、会場を鮮やかな色に染め上げていく。
その光景は、彼女のモノクロだった世界をも塗り替えていくようであった。

気がつけば彼女は受け取ったキャンディを両手で持っていた。
体の正面で、優しくぎゅっと握るように。


25: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 22:38:49.91 ID:GTk52CSjo

その楽曲の名前は『GO MY WAY!!』。
背中を押されたような不思議な感覚だった。



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