31:名無しNIPPER[sage]
2017/06/16(金) 20:12:27.40 ID:C7mt4QM40
あとはもう一方の像です
「ハオ、そっちにはなんて書いてあるの?」
ネリーがもう片方の金剛力士像を調べていたハオに尋ねます
「人形を置け。花を咲かせろ。です」
人形、花……おそらく、紫蓮人形の事です
私はあらかじめ用意していたシレンちゃんを金剛力士像の手のひらの上に載せます。しかし何も起こりません
「置く場所が間違ってるんでしょうか……?」
「そういえば、紫蓮人形って名前なのに紫色なのは服の生地の方で、蓮華の模様は赤と黄色なのどうしてでスカ?」
メグの質問ももっともです。名前の通りなら紫色の蓮が描かれているはずです
「その、道家界雷氏はカラクリ技師だったんだろう?ならその人形にも何かカラクリがあるんじゃないのか?」
サトハの言葉に従い、私はシレンちゃんを手に取り仔細に眺めカラクリを探します
すると、うなじの部分に小さな穴を見つけました。ここに螺子を刺して回すのでしょうか
けれど、肝心の螺子がーーーーーーいえ、あります
私が首にかけているペンダント
久々津さんが私にくれた、カラクリを動かすための螺子
道家家のカラクリ人形は、代々この螺子を使ってきたとネモさんが言っていました
だから、これでも動くはずです
私が首にかけていた螺子をシレンちゃんのうなじの穴に刺すと。ぴったりと合致しました
螺子を回してから離すと、シレンちゃんの着物の裾がぶわっと上に広がりました。脱衣する人形という極めて変態的なカラクリなのでしょうか
しかし、シレンちゃんは緑色の長襦袢を着ています。シレンちゃんがそのまま座ると、襦袢の裾が床に広がりました
上に広がった裾は傘の骨のようなものが仕込んであるのか、そのまま上半身を包み込み、シワをつくりました。あたかも、蓮華の花のような姿に
これは、人形が紫色の蓮華へと変形したカラクリだったのです
紫色の花が咲いたのち、もう一方の金剛力士像も動き出しました
そして、奥へと続く扉が開いたのです
「おたから!おたから!」
奥の部屋へと駆けていくネリー。私たちも後を追います
その空間には、幾ばくかの千両箱が置かれていました
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