26:名無しNIPPER[sage]
2017/06/16(金) 19:09:17.82 ID:C7mt4QM40
「いかにもマイゾーキンがありそうだね」
そうでしょうか
「よし、じゃあしゅっぱーつ!」
意気揚々と進むネリー。私もそれに続きます
◇
炭鉱はあまり整備がされていないような、ほぼ自然の洞窟そのままでした。どうやら彫ったわけではなく、元々あったものみたいです
幾つか分かれ道があったり、パズルを解かないと開かない扉や特定の松明に火を灯さなければ開かない扉がありましたが、私は絡繰絡繰に隠されたページの番号や行間や頭文字に秘められた暗号のアルゴリズムのエンコードをアルデンテがペペロンチーノをして次々と解いていきました。この辺りは長くなるので省きましょう
かくして、私とネリーは最深部にたどり着きました
重厚な扉の両脇に、金剛力士像が立っています
「うーん……だめだ、開かない」
可愛らしい細腕で扉を押し開こうとしたネリーでしたが、扉はビクともしません。ここも何かしらのパズルを解かないと開かない仕掛けのようです
左の金剛力士像を見ると、台座に文字が彫られています
『放置人形 开花 』
「中国語でしょうか……?ここにくるまでに人形なんてありましたっけ?」
「んーん。見てない。こっちには何か書いてないの?」
ネリーに促され今度は右側の金剛力士像の台座を見ます。ここにも文字が彫られていました
『Cherchez la femme』
「これはわかります。フランス語ですから。直訳すると、『女を探せ』ですね」
「女……このボタンのどれかかな」
ネリーは文字の下の七つのボタンを眺めています。それぞれのボタンには文字が彫られていますが、英語で書かれているようなので私には読めません
「ま、テキトーに押してたらそのうち当たるよね!」
そう言ってネリーはテキトーに選んだボタンを押します
ポチッ。と音がし出した瞬間。私は背後に風が流れるのを感じました
「ネリー危なーーーーーー」
いい終わらぬうちに、ヒュンッと鋭い音が私の横を通り抜けます
背後から飛んできた矢が、ネリーの頭に向かいーーーーーー頭上を素通りしました。ネリーが小さかったので当たらなかったようです
「ひ……へへへぇぇぇ……」
流石に今のトラップにはネリーも肝を冷やしたようで、地面にへたりこみます
「ネリー。ここは一旦戻って、改めてここを探索しましょう」
今度は落とし穴や鉄球やギロチンの罠が来るかもしれませんし、人形の謎だって解かなければいけません
「うん……わかった」
しゅん。とした様子でネリーは私の言葉に頷きます
「ねえ、ミョンファ」
「なんですか?」
「その……怖いから、手をつないでいい?」
私はにっこりと頷き、ネリーの手を握りました
◇
「何してんるんだネリー、そんな格好で。世界ふしぎ発見ごっこか?」
洞窟からでてきて客室に戻った私達を、サトハは怪訝な顔で眺めます
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