27:名無しNIPPER[sage]
2017/06/16(金) 19:11:00.12 ID:C7mt4QM40
「まあいい。とにかく二人ともそこの浴衣に着替えて、玄関に集合だ」
そう言ってサトハは客室から出ていきます
用意された浴衣は、ここにきて以来ずっと着ていた部屋着のようなものではなく、煌びやかな色合いと可憐な模様入りの綺麗な浴衣でした
「わあ!ネリーにぴったし!」
ネリーは赤色の浴衣を掴んで自分の身体に合わせます。部屋着の時のようにダボダボではなく、ネリーにぴったりのサイズとなっていました
私はもう一つ用意されていた紫色の浴衣に手を伸ばします。緑色と白色の綺麗な装飾が入った浴衣でした
ネリーはすでに探検家服を脱いですっぽんぽんになり、着替えています。私もすぐに着替え始めました
◇
玄関に着くと、サトハとハオとメグが待っていました
三人とも、綺麗な浴衣に身を包んでいます
「それじゃあ、行くか」
そう言って外に出たサトハに、私達は続きます
外に出ると、もう黄昏時でした。あたりから子供の声と、どこからか太鼓の音が聞こえます
そしてサトハに先導されたどり着いた場所は、近所の何某神社、しかしいつものような寂れた神社ではなく、あたり一面に提灯と屋台が並んでました
「ほお、夏祭りですね」
私たちの他にも浴衣を着た子供や大人たちが歩いています。これがジャパニーズサマーカーニバルというものなのでしょう
「それじゃ、8時まで自由行動だ」
サトハはそう言い残して近くの焼きそば屋に向かいます。焼きそば屋の人たちは「お疲れ様です姐さん!」と言ってサトハを迎えました
ちなみにネリーはすでに姿を消しています
「んー。美味しそうな匂いがいっぱいでスネ」
メグは辺りに満ちた食欲をそそる香りを胸いっぱいに吸い込みます
私も彼女の真似をしてすぅーっと香りで胸を満たします。焼きそばやたこ焼きのソースの香ばしい香り、ベビーカステラやたい焼きの甘い香りが私の中へと満ちていきます
私たち三人は、日本の夏を堪能するため、祭りの雑踏へと足を踏み入れました
◇
ものの数分でメグとハオとはぐれました
人混みの中でいつの間にかはぐれてしまったようです
気がついたら隣にいたのはハオでもメグでもなく、全然知らない人でした
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