22:名無しNIPPER[sage]
2017/06/16(金) 11:27:51.72 ID:C7mt4QM40
「マスター。最近景気はどうでスカ」
馴染みの居酒屋にやってきた常連客のような質問をするメグ
「まあ、ボチボチですね」
グラスを拭きながら整ったヒゲの下の口で苦笑するバーテンダーさん。さっきからずっと同じグラスを磨いていますが、まるでそれがバーテンダーのあるべき姿だとでも言いたげな佇まいです
「そういえばこの店には雀卓もあるんデス。メンツが揃えば打てるんでスガ……」
そう言ってメグは辺りを見回しますが、みんな何かしらに夢中のようで、麻雀な付き合ってくれそうな人はいません。バーテンダーさんとか凄く強そうな感じがするんですけどね
「ま、代わりにこれで遊びまショウ」
カウンターの上の籠に手を伸ばすメグ。籠の中にはオセロや将棋、UNO、ハゲタカのえじきやゴキブリポーカーなど様々なゲームが入っています
メグはその中からトランプをとりだしました
「二人でできるトランプのゲームって何かありましたっけ?」
「確かに……なんとなく取り出しましたケド、特に思いつきませンネ」
ババ抜きは論外ですし、大貧民も二人じゃ盛り上がりに欠けます
何より、ただでさえローカルルールが猥雑としてるのに、アメリカとフランスではどれほどローカルルールでごった返すかもわかりません
ちなみに私のところのローカルルールは砂嵐スペ3殺し5飛ばし7渡しナナサン革命9リバース救急車10捨てイレブンバック連3階段縛り連3マーク縛り2アガリジョーカーアガリ禁止でした
二人してうーん。と首を捻っていると
「では……ポーカーかなどいかがでしょう」
バーテンダーさんがグラスを起いて提案します
「私がディーラーをします。チップはそうですね……このナッツにしましょう」
バーテンダーさんもといディーラーさんは2つの小皿を取り出し、そこに10個ずつナッツを注いで私たち二人に差し出します。このナッツをぽりぽり摘みながらミルクを堪能できれば、素晴らしいひと時になるはずです。これは是が非でも勝たなければなりません
「ミョンファはポーカーのルールは知っていますか?」
ふんす。と気合を入れる私にメグが問いかけます。そういえばルールを全く知りません
「手札5枚から、カードを入れ替えて役を作り、勝負するゲームでスヨ」
そう言ってメグはナプキンの裏にペンできゅっきゅと役の作り方を書きます
要するに、シンプルな麻雀。といったところでしょうか
「ただし、麻雀と違って先に役を作れば勝ち。ではなく、互いに役を作ってから勝負するんデス」
その後、コールやらレイズやらの説明をしてくれました。例え手が弱くても怯えず強気でレイズして相手を降ろす事もできるし、手が強くてもあからさまに喜んでいると、賭け額が低いうちに相手が降りてしまい勿体無いなどなど
つまり、相手に手を悟られることない無表情。ポーカーフェイスが必要となる。という事です
「それでは始めましょう」
しゃらららら。とショットガンシャッフルでトランプを混ぜていたディーラーさんが、私とメグの前にトランプを配ります
「ではーーーデュエル!」
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