死んだはずの妻と出会った話
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36: ◆2mwK9kDO1Y[saga]
2017/06/14(水) 23:18:40.40 ID:fF3hGUJcO

すっかり目を覚ました僕は、自分の隣から、子供のように小さな寝息がするのを感じます

目をやると、すやすやと眠る女の子がそこにいました

女の子という表現は、不適切かもしれません

彼女の年齢は、女性と言うにふさわしいものでしたから


ですが、僕の視界に映る彼女は、どう見ても幼い女の子にしか見えませんでした

思えば、僕の妻も、そんな風に眠る女性でした


小さな寝息、顔の近くで丸まった両手、瑞々しい黒髪、長いまつ毛、桃色の唇


――そこで、ふと思います


昨夜の出来事は、本来の妻であれば、決してあり得ないのだと

僕と彼女の愛の営みは、深夜の3時まで続きました

妻であったなら、途中で力尽きてしまっていたはずなのです

妻であったなら、僕が彼女よりも先に目覚めるはずがないのです


僕は、彼女の隣に横になりました

幼い顔が、鼻先数センチまで近づきます


ベッドと彼女の間にできた、小さな空間へ目線を下ろします

その隙間には、彼女の白い肌が覗いています

美しい谷間の傍に、やはりそれは存在していました


――彼女が、僕の妻ではないという、確かな証明でした


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