7: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/10(土) 15:04:25.73 ID:KpRYTezd0
「意識があるのがわかったら、普通他の対処をするだろ。救急車を呼んだり、警察に連絡するとか」
確かにそうだった。
ただ誰かが救急車を呼んでいたのは覚えている。
では警察は?
誰か呼んだか記憶にない。けれど事情聴取をされた覚えがあるから誰かが呼んだのだろう。
「………………」
でもそれをしなかった。
できなかったし、やろうとも思いつかなかった。
ただただ少年に語り続けていた。
それはなぜか。
「……語りかけ続けることで、あの子に気力を保ってほしかったんです」
なぜそれが正解だと思ったのかはわからない。
それしかできなかったのかもしれないし、無意識の部分で何かが導き出されたのかもしれない。
「うん。あくまでも俺の意見だが、茜の行動はそれが最適だったと思う」
「……プロデューサー」
それに救われたのか、少しだけ彼女は心が軽くなった気がした。
決して何かが変わったわけではないが、少しだけ自分に自信が持てたのだろう。
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