6: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/10(土) 15:03:27.87 ID:KpRYTezd0
それで誰が彼女のことを責めるだろうか。
交通事故を目の当たりにして即座に冷静な対応ができる人のほうが圧倒的に少ない。
誰も彼女を責めなくても、彼女が許せないのはたった一人だった。
「……茜は何も悪くないだろ。茜がその時にできることをしただけだ」
冷たくも思える言葉。
けれどそうではない。
「ですが……」
「茜は語りかけることしかできないって言ったけど、何も出来なかったよりは100倍マシだと思うぞ」
それでも彼女は納得しない。
その程度では納得できないのだ。
「それに、その子に意識があるのがわかってて、どうして語り続けたんだ?」
「……どうして?」
そんなことを彼女は考えてもいなかった。
あの場では語りかけることが正解で、それしか彼女はできなかったのだから。
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