12: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/10(土) 15:08:43.51 ID:KpRYTezd0
少年は元気だった。
事故のショックに負けず、ポジティブに前を向いていた。
それが出来たのは彼女のお陰。そう書いてある。
「それを読んでさ、俺は改めて思ったんだよ。茜の行動には間違いがなかったって。語り続けることが正解だったんだって」
本当にそうであるなら彼女にとって喜ばしいことはない。
もちろん、他の対処ができなかったという悔いは残るが、当の少年が感謝をしている。
ならばそれで良いではないか。
「あのさ、茜。茜は自分をどんなアイドルだと思う?」
唐突に彼は質問をする。
自分がどんなアイドルか。彼女にはそれはわからない。
ただわかるのは、
「いつも元気でいるアイドル。でしょうか?」
そんな抽象的なことだけだった。
「まあ正解だ。何て言ってもそこが最大の魅力だからな」
平然と彼は告げる。
なんとなく、こそばゆい言葉。
彼女は自然と口角が上がっていくのを自覚した。
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