11: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/10(土) 15:07:49.41 ID:KpRYTezd0
そこには何度も書き直した跡があった。
決して上手な文章ではないけど、とても素敵な文章だった。
「これって……」
彼女は便箋から顔をあげた。
嬉しそうにも見えるし、泣きそうにも見える。想いを噛み締めているようにも見えるし、驚いているようにも見える。
どんな感情が彼女によぎっているのだろう。
どんな感情もが彼女によぎっているのだろう。
「茜、この前話してたよな? 交通事故の現場に居合わせて怪我した少年がいたって。それって絶対この子だよな」
果たして本当にあの日の少年なのか。
どう考えてもそうだろう。
交通事故に遭い、足を怪我し、茜が語り続けた少年など一人しか該当者がいない。
「……そう、ですね!」
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