60:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:44:40.11 ID:YrwqVrym0
私はギターを買うために、それまでほとんど全額貯金していたお年玉を、両親に頼んで崩させてもらうことにしました。
その話を私が突然の言いだしたときには、二人とも驚いていましたが、お母さんはそういうことにあまり細かく口出しをする人ではありませんでしたし、お父さんもバンドの名前を出すと喜んで賛成してくれました。
(プレーヤーに元々そのバンドのアルバムが何枚か入っていたので、多分昔ファンだったのでしょう。)
61:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:45:50.17 ID:YrwqVrym0
それからというもの、私は取り憑かれたようにギターに没頭しました。
ギターを弾く時間以外は、全て無駄だと自分に言い聞かせました。
62:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:47:22.23 ID:YrwqVrym0
高校は、日菜とは別々の学校に通うことになりました。
進学に際して、日菜は私に何も言ってきませんでした。
63:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:48:54.90 ID:YrwqVrym0
行きつけの楽器屋で、いつものように交換用の弦を買い足していたときのことです。
顔馴染みの店員さんが、私に話しかけてきました。
64:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:49:39.29 ID:YrwqVrym0
私が呆然と立ち尽くしていると‥
「ああ!この子だこの子!!ホントにオーディション合格したんだ?!いやはや恐れ入ったねー」
65:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:52:53.89 ID:YrwqVrym0
気がつくと、私は息を切らして自分の家の前に立っていた。
今家には誰もいないようだ。
私は躊躇うことなく日菜の部屋に向かった。
66:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:56:20.74 ID:YrwqVrym0
一通り部屋を見渡したが、“それ”は見当たらなかった。
しかし、私の目は勉強机の上に“ある物”を捉えた。
67:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:57:17.26 ID:YrwqVrym0
日菜「どうしたの‥お姉ちゃん‥私の部屋で…」
紗夜「日菜…これは‥どういうことよ…」
68:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 17:59:10.30 ID:YrwqVrym0
紗夜「じゃあなんでギターなのよっ!!」
日菜「それは‥その‥でもっ、あたしにも“るんっ”てできる場所が欲しくて‥!!」
69:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 18:00:39.35 ID:YrwqVrym0
日菜「だって……あたしに‥も‥居場所が‥欲しかったんだもん……っ」グスッ
紗夜「居場所ですって?!居場所ならあなたには…」
70:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 18:02:47.18 ID:YrwqVrym0
日菜「………ッ!!」ダッ
紗夜「日菜っ!?」
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