95:名無しNIPPER[saga]
2017/06/14(水) 19:27:07.88 ID:VqWHRdm5O
牛丼屋を出て、駅に向かった。
曜ちゃんはほとんど喋らなかった。
気まずいのだと思う。私も、多少それはあった。
でも、触れていないと、もう、落ち着かない。
私は曜ちゃんの手を握った。
曜ちゃんの顔は見なかった。
ややあって、彼女も恐る恐る握り返してきた。
二人でちゃんと出かけたいな。
そう思った。
いつになるだろうか。
少し冷たい曜ちゃんの細い指に指を絡めた。
こうした方が、しっかり繋げるから。
「梨子ちゃん……あの」
「うん」
「私、さっき酷い事言った……ごめん」
「いつの事?」
「だから、その」
言い難そうにしていた。
私は意地悪なので、曜ちゃんが言うのを待った。
曜ちゃんは、自己嫌悪の真っ最中だろう。
そういう性格なんだ。
でも、表では飄々としてしまう。
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