91:名無しNIPPER[saga]
2017/06/14(水) 18:41:08.89 ID:VqWHRdm5O
「分かってる人は、そんな表情しないもの」
曜ちゃんの方が力がある。
だから、私から離れようと思えばすぐにでもできたはず。
だったら、彼女が意図してることは――。
「離れないって、言ったじゃない。私、曜ちゃんがどんな人でも、離れないって」
もう一度、彼女を抱きしめた。
「黙って、行かないで。私にだって、甘えていいんだよ」
「分かった風な事……ッひ……言わないで」
背中をポンポンと叩いてあやす。
「うん、ごめんね」
「もおっ……私の中に、入ってこないで……っ」
ちょっとよく分からない。
「うーん、いや」
「ひっ……――」
「そんなに泣かないでよ、曜ちゃん」
私を拒絶しながら、ボロボロ涙を流す。
いつの間にか、母親にしがみつく幼い子どものように、私を抱きしめ返していて。
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