38:名無しNIPPER[saga]
2017/06/11(日) 19:19:25.88 ID:KUeinQmiO
それは、とてもありがたかった。
あの日から、どうしても学校に行く度に、肺が圧迫されるような緊張を感じていたから。
特に、教室に入るとダメだった。怪我について心配してくれる同級生もまだいて、それが私の心を波立たせた。
「曜ちゃん、おはよー」
すぐ近くの席の子達が声をかけてくれる。
「うん、おはよう……」
語尾が下がってしまう。
たぶん、気が付かれている。
「あー、この間の練習見に行ったよー。千歌ちゃんがこけて転がってる所見ちゃった!」
「えー! なんて最悪のタイミングに……!」
笑いが起きる。
「曜ちゃんは、やっぱ上手いよね。なんか切れが違うって言うか。あと、生徒会長もキレッキレでびっくりした! 確か、日本舞踊みたいなのやってるんだっけ? すごいギャップで、ちょっと感動しちゃったー」
「確かにー」
「梨子ちゃん、次のイベント出れないんだよね。早く良くなるといいね」
「ええ」
口々に感想や励ましをくれる。
「みんな、ありがとうねっ」
千歌ちゃんが目元をうるうるさせていた。
「やだー、この子泣きそうだよ」
「千歌ちゃんも色々大変だよね。頑張ってね」
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