35:名無しNIPPER[saga]
2017/06/11(日) 18:42:26.42 ID:KUeinQmiO
話したいことはたくさんある。
全部聞いて欲しい。
ただ、今日はきっとパパの方がそんな気持ちを抱いているような気がするから。
私はいつもより大人しくいたいと思う。
「お、今日の朝ごはん、いつもより豪華だな……もぐもぐ」
戻ってくると、つまみ食いしているのを発見。
「私が作ったんだよ。もお、行儀悪い」
「おお腕を上げたな」
「でしょでしょ〜」
サバの味噌煮を突きながら、ミニトマトを放り込んでいるパパに、本当に味わっているか疑問に思いながら、私は親指を立てた。
「パパ、帰ってきた?」
ママがスリッパの音を立てて、嬉しそうに言った。
パパがママに私のように飛びついたけれど、
「もお、遅い! 告別式10時からでしょ? 色々準備あるし、移動もしなくちゃいけないんだから、さっさとする!」
「す、すみません」
「曜も学校、遅刻するわよ!」
「ヨ、ヨーソロー!」
パパと二人でママに敬礼して、家族の再会の喜びも短く、私はバス停に向かった。
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