17:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 14:38:07.53 ID:l5/QKUUT0
お醤油の煮だった匂いがした。
「ねえ、梨子ちゃんは、お夕飯食べて行くの?」
キッチンからおばさんが言った。
曜ちゃんと顔を見合わせる。
「梨子ちゃんがいいなら」
曜ちゃんがにこっと笑う。
「そうね……」
私こそ、曜ちゃんがいいなら。
「でも、明日お父さん帰ってくるんでしょ? 色々準備とかあるんじゃ」
「大丈夫、大丈夫! お帰りー! って言って、ギューっと抱きしめておしまいだから」
曜ちゃんのことだから、もっと甘えてそうな気もする。
それより、曜ちゃんのお父さん、羨ましい。
帰って来る度、曜ちゃんの愛らしい笑顔で抱き着かれるんだろうから。
私、次生まれてくるなら、曜ちゃんのお父さんでもいいかも。いや、よくないかな。
「じゃあ、よろしくお願いします」
「わーい」
キッチンからもわーいと聞こえた。
二人が可愛くて、口元が緩んだ。
「ところで、梨子ちゃん、お刺身食べれる? お隣の奥さんに頂いちゃったんだけど」
「私は、大丈夫です。好きですよ」
「え、じゃあ、私今晩何食べるの?」
曜ちゃんが首を傾げる。
「ふふっ」
おばさんが鼻で笑っていた。
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