138:名無しNIPPER[saga]
2017/06/19(月) 00:33:59.08 ID:TqcAjD03O
でも、本当は違った。
言葉が必要だった。
千歌ちゃんにではなく、私に。
『曜ちゃん、すごーい! 千歌にはできないよ』
『千歌ちゃん、見ててね!』
『やりたいこと、まだ見つからなくて……』
『そっか。見つかったら最初に教えてね。応援するよ』
『スクールアイドル、やりたい!』
『水泳部と掛け持ちだけど、私も入るよ!』
『立派な高海千歌になるから、曜ちゃんも――』
『うん――』
腕に、梨子ちゃんの手が触れていた。
「曜ちゃん」
「あ、コンディショナーつけるね」
「うん」
私が笑うと、梨子ちゃんもつられたのか微笑み返す。
なんてことない仕草なのに、どうして――。
『そばに――』
千歌ちゃんが飛び出す時、私も一緒にいたいと思ったんだ。
そのままずっと一緒に。
一人じゃ、心細いだろうって、危ないだろうって、決めつけてさ。
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