100:名無しNIPPER[saga]
2017/06/14(水) 20:31:08.46 ID:VqWHRdm5O
『私の中に入って来ないで』
あなたに開けられた小さな穴が痛いよ。
「……梨子ちゃん」
「もう、また?」
さっきの続きかと思った。
曜ちゃんが、私の胸の辺りに頭を寄せた。
私はとっさの事で、体が石のようになった。
羽みたいに軽そうな曜ちゃんの髪があごに当たる。
「甘えちゃダメだって……分かってるんだ」
曜ちゃんは、胸元にすり寄るように頭を小さく振った。
う、動かないで。
「信じれば信じる程、私……梨子ちゃんに頼っちゃうよ」
そうやって曖昧な気持ちを伝えるのね。
私の気も知らないで。それは、友情として?
「言うほど、曜ちゃんは、頼ってないから」
「そうかなあ」
「それに、どうしてダメなの?」
「千歌ちゃん……困るから」
呆れた。
まだ、気にしてる。
千歌ちゃんめ。羨ましい。
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