4: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:33:15.70 ID:7zKxpJxVo
『昨日は輝子ちゃんと一緒にお洒落なカフェに! 輝子ちゃん、ちょっと緊張気味?』
どうやら愛梨に連れられてカフェに行っていたようだ。自撮りを笑顔であげる愛梨に対して、本来自分がいた場所とは違う環境に身を置かれたせいで写真の中の輝子は目をグルグルとさせてありありと焦りが伝わって来る。これを『ちょっと』で済ませてしまう愛梨も中々大物だな。ヤケを起こしてヒャッハーしださないか少々心配だけど、まぁ愛梨がいるなら大丈夫だろう。
しかし……少なくともアイドルになる前の輝子なら、このような所謂リア充の巣窟であるカフェになんて行くことがなかっただろうに。
「成長しているってことだよな」
根っこの部分は変わっていないだろう。どんな環境に投げ込まれたとしても、やはり生まれてからこれまで築き上げて来たものはそう簡単に変わらないのだから。言ってしまえば、有無を言わさずついてくる影のようなもの。
それでも人がいるところを怖がらずにトモダチと呼べる仲間が増えていった。日陰から日向へと飛び出した輝子を祝福するかのように、彼女を中心にキノコが増殖して輪が広がっていく。
それが俺にとっても、彼女の最初の親友としてはとても嬉しく誇らしいことだった。アイドルとしてだけでなく、ひとりの女の子としても新しい世界へと飛び出していけるようで、これまでの時間はムダなんかじゃなかったと強く思えたんだ。
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