高垣楓「他愛のない話」
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28:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 12:02:06.24 ID:MaZC+zyvo

ざぁ。ざあぁ。

揺れる紅葉の音がよく、よく聞こえました。
合わせるように胸の鼓動も落ち着いて、私は握りっぱなしの手を離します。
乱れた髪を整えて、ブラウスの胸元もついでに整えました。
秋の夜長は冷えますからね。

 「戻りましょうか、プロデューサー」

 「え……え? はい」

すぐ戻りましょう。
一刻も早く戻りましょう。


 「……ぁ」


勢いのままに踏み出しかけたところで、すぐ後ろから声が漏れました。
何だか、何かに気付いたような声でした。
恐る恐る振り向くと、プロデューサーの顔は。


夜でも分かるぐらい、それは見事に紅葉して。


 「違っ……違いますからっ!! ラブ――」



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