26:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 11:32:21.80 ID:MaZC+zyvo
一度きりの優しい響きが、耳に残って離れません。
風も冷えてくる頃だというのに、何だか頬が火照って。
プロデューサーの手が、私の頭へ伸びました。
思わずつむった目蓋を開けると、指先に挟まれていたのは、小さな、赤い、イロハモミジ。
くるくると回された葉に、私達は思わず笑い合って。
……あら?
何だか、ここだけ――春が来たみたい。
「楓さん」
「は、はい」
「……その……ええと」
柔らかい笑みは、いつもの真面目そうな面持ちに戻って。
迷うような表情で……それでも、口を開きました。
「そろそろ、その…………ホテルに」
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