25:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 10:50:26.51 ID:MaZC+zyvo
気付くと、目の前にはプロデューサーが居て。
気付くと、私の手は固く握られていて。
「……情熱的、ですね」
「…………っ!? あ、いやこれは違っ……かえ、楓――さんっ!!」
たった三文字の情熱は、すぐにどこかへ逃げていってしまいました。
解かれかけた左手を、今度は固く握り返してやります。
「ふふ。手まで握って……一体、どうされたんですか?」
「その、ええと、何だか……風に攫われてしまいそうで……その」
「……ふふっ」
手持ち無沙汰な右手さんも捕まえて。
骨ばった両手を包み込むように、私の両手を添えました。
「大丈夫ですよ、プロデューサー。私は、ここに居ますから」
「…………楓、さん」
「はい。高垣楓です」
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