高垣楓「他愛のない話」
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17:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 07:55:17.05 ID:MaZC+zyvo

京都なんて何年ぶりでしょうか。

たぶん高校の修学旅行以来になるこの場所は、記憶よりもずっと色鮮やかでした。
良い日和に恵まれたお陰でもあるでしょう。
少し離れた通りは学生さんや観光客でごった返しています。

CM撮影の終了に伴い、仕切っていたカラーコーンが外されます。
それが合図となったように、間借りしていた一角にも人があふれ出していきました。

 「ほんで、どこに? 実家以外ならどこでも連れてっちゃうよ」

 「あぁ、いえ。一つだけ教えてもらえれば構いません」

 「ほほぅ」

 「モミジの綺麗な穴場、ご存じですか?」

袂から取り出した赤色を、指先でくるくると回します。
私の顔と葉っぱを見比べて、周子ちゃんは笑みを浮かべました。
流石は周子ちゃん。粋な女です。

 「うんうん、大体わかった。好きだねぇ楓さんも」

 「そりゃあ、好きですから」

聞き覚えのある足音に、指先の悪巧みを放りました。
赤い葉は路傍の一葉に化け、証拠隠滅もばっちり完了。
狸さんでもこうまで鮮やかにはいかないでしょう。


 「――お疲れ様でした。着替えたらホテルに……何の話ですか?」



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