高垣楓「他愛のない話」
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14:名無しNIPPER[saga]
2017/06/03(土) 22:47:27.13 ID:5Cx8PCBlo

慌てて口を塞ぐと、美優さんは一目散に階段を駆け上がっていきました。
対する私は口を開けっぱなしにして、地蔵のように立ち尽くしたまま。

 「……」

 「おはようございます、高垣さん。どうかしました?」

いつの間にかやって来ていたプロデューサーが首を傾げます。
私は起こったコトを説明しようとして、両手を泳がせて。
どこまで言っていいものか分からず、諦めて階段を指差しました。

 「プロデューサー」

 「はい」

 「あの階段は、大人の階段かもしれません」

 「は?」

 「なので、今はエレベーターを使いましょう」

 「……?」

 「私はまだ、シンデレラなので」

 「……これからでは?」


今に鐘でも鳴り出さないか、私はちょっと本気で心配しかけました。



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