高垣楓「他愛のない話」
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15:名無しNIPPER[saga]
2017/06/03(土) 23:21:44.25 ID:5Cx8PCBlo

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情緒の秋でした。

鳥の囀りがどこか遠くで響き、染み入るように耳へ届きます。
さぁ、しゃらりと、そよ風が吹く度に、頭上からコーラスが聞こえました。
釣られるように顔を上げてみれば、何かが顔を叩いて。
摘み上げた葉は、それはそれは見事に色づいていました。


 「ふぃー。終わった終わったー」

 「お疲れ様でした、周子ちゃん」

 「どもども。これでよーやく帰れそうかな?」

 「あら。急ぎの用事でも?」

 「急ぎと言うか……ま、色々あって、ね」

眉を曲げて笑う周子ちゃんは、むず痒そうに着物の袖を払いました。
背後のスタッフさん達が何度か頷き合って、レフ板やらを片付け始めます。

 「観光案内をお願いしようと思ってたんですけれどね」

 「あー、んー……あたしは……まぁ、ちょっとならいいかな」


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